この記事の監修者
リスキルAIキャリア編集部
リスキルAIキャリアは、AI時代の学び直し・キャリア形成・副業・転職に役立つ情報を発信するWebメディアです。編集部では、生成AIスキルの身につけ方、AI関連スクール・講座の選び方、キャリアアップにつながる学習方法などを、実務目線でわかりやすくお届けしています。
生成AIは資料作成の一部工程で強く、別の工程では事故を招きます。結論から言うと、構成案・要約・言い換え・体裁は効き、事実・数字・固有名詞・独自の主張は効きません。この線引きを知らずに丸投げすると、それらしい嘘が混じった資料が完成します。
この記事は「どの工程を任せるか」「どのツールをどう使うか」「機密データを入れてよいか」を判断基準つきで示します。ツール23選のような羅列はしません。工程分解と判断フロー、コピペできる実プロンプトで、事故らず社内で評価につなげる型を提示します。
読者は副業・転職・収入UPを狙う社会人を想定します。関連する仕事の切り分けは生成AI業務効率化の具体例12選|効く仕事と効かない仕事も参考になります。
生成AIに任せてよい範囲|結論表

最初に、資料作成の各作業をAIに任せてよいかを一覧で示します。判断に迷う前に、この表で線を引いてください。
| 作業 | AIに任せる可否 | 理由 | 人間の確認 |
|---|---|---|---|
| 目次案 | ◎ | 目的と読者を渡せば複数案を出せる | 不要章を削る |
| 議事録から要約 | ◎ | 元情報があり検証しやすい | 抜け漏れ確認 |
| スライド本文の短文化 | ◎ | 表現変換が得意 | 意味の変化確認 |
| グラフの示唆文 | △ | 数字の解釈を誤ることがある | 元データと照合 |
| 売上・市場規模の記載 | × | 存在しない数字を作る | 一次情報から転記 |
| 競合比較 | ×〜△ | 固有名詞・価格・機能が古い可能性 | 公式ページで確認 |
| 提言・結論 | × | 事業判断そのもの | 自分で言い切る |
この記事では、AIに「作らせる」のではなく、AIに「下処理させて人間が意思決定する」前提で進めます。
生成AIで資料作成|向き不向きの基準

生成AIが資料作成に向くのは、情報が既に手元にある工程です。構成の骨組み、長文の要約、表現の言い換え、体裁の整形は、素材を渡せば数分で叩き台が出ます。人が1時間かける作業を10分に圧縮できる領域です。
逆に向かないのは、正解が外部にある工程です。売上実績、契約条件、競合の固有名詞、自社の独自見解は、AIがもっともらしく創作します。事実の生成をAIに任せた時点で、資料の信頼性は崩れます。
実務の型はシンプルです。AI出力は必ず叩き台とし、人が事実を補強して完成させます。この分業を守れば、速度と正確性を両立できます。守らなければ、修正で余計に時間を失います。
効く工程・効かない工程の切り分け

資料作成は単一作業ではなく、6つ前後の工程の連続です。工程ごとにAIの得手不得手が分かれます。まず全体像を押さえます。
| 工程 | AIの向き不向き | 人がやること |
|---|---|---|
| 構成案・目次づくり | 効く | 読者と目的に合わせて取捨選択 |
| 長文・議事録の要約 | 効く | 要点の抜け漏れを確認 |
| 言い換え・トーン調整 | 効く | 社内用語や固有表現の調整 |
| 体裁・箇条書き整形 | 効く | レイアウトの最終判断 |
| 数字・実績の記載 | 効かない | 原本から手で転記・検算 |
| 固有名詞・事実の記述 | 効かない | 一次情報で裏取り |
| 独自の主張・提言 | 効かない | 自分の判断で言い切る |
効く工程は「素材を渡す整形作業」
効く工程の共通点は、正解の材料が手元にあることです。構成案は「誰に何を伝えるか」を渡せば骨組みを出します。要約は元テキストがあれば要点を抽出します。言い換えは既存文を短く整えます。
元資料が手元にある要約・言い換えは、出力後に原文と照合できます。誤りを見つけやすいため、最初に使う工程として向いています。検証できる工程から始めれば、修正コストを抑えられます。
効かない工程は「事実と数字と主張」
効かない工程の共通点は、正解が資料の外にあることです。売上高、シェア、契約金額、担当者名は、AIが学習データから推測して埋めます。実在しない数字が自然な文体で並ぶため、見抜きにくいのが厄介です。
独自の主張も任せてはいけません。提言や結論はあなたの判断そのものであり、評価対象です。AIに書かせた提言は角が取れて、当たり障りのない一般論に収束します。ここを人が言い切ることが、資料の価値を決めます。
パワポ生成AIのツール別手順

パワポ生成AIは、構成と初稿づくりで威力を発揮します。ゼロから作るより、叩き台を出させて人が直す方が速いです。ツールごとに得意分野と確認ポイントが異なります。
PowerPoint Copilotで資料作成する場合
PowerPoint版Copilotは、Word原稿や既存のPowerPointを元にスライド化できます。ゼロから作るより、下書きを渡す方が精度が上がります。ただし利用可否はMicrosoft 365の契約プランと管理者設定に依存します。仕様はMicrosoft公式サポートで最新を確認してください。
- Wordに「目的・対象者・結論・根拠・制約」を書く
- Copilotでプレゼンを生成する
- 各スライドの数字・固有名詞を原本と照合する
- ノート欄に説明原稿を作成する
- 最後に人間がストーリー順を入れ替える
Copilotは下書きの整形役に徹させ、数字と固有名詞は原本から人が戻します。生成結果をそのまま提出しないことが前提です。
Gamma / Canva / Tome系を使う場合
Gamma・Canva・Tomeなどのスライド生成は、見た目の初稿が速いのが強みです。一方で事実確認と社内トーンの調整は弱く、そのままでは提出できません。価格やプランは変わるため、料金は各サービスの公式料金ページで確認してください。
外部SaaSに社外秘や個人情報を入力しない運用が前提です。社外に出て困る情報は、匿名化しても入れない判断が無難です。デザインの初稿づくりに用途を限定します。
ChatGPT / Claudeで構成だけ作る場合
ChatGPTやClaudeは、PowerPointファイルを完成させるより、構成・本文・話者ノートを作らせる使い方が現実的です。具体的な制約を渡すほど精度が上がります。「スライド10枚構成」「1枚あたり見出し20字以内」「本文3点以内」など数値で指定します。
出力後は、数字と固有名詞を【要確認】として空欄にさせ、原本から人が埋めます。構成の骨組みと文章整形に絞れば、事故は起きにくくなります。
生成AI資料作成のコピペ用プロンプト
依頼の仕方で出力の質は大きく変わります。以下の5本はそのまま貼り付けて使えます。目的・読者・制約を埋めてから送ってください。
1. 構成案作成プロンプト
あなたは法人向け提案資料の編集者です。
以下の条件で、10枚以内のスライド構成案を作ってください。
目的:
対象読者:
読者の前提知識:
最終的に取ってほしい行動:
必ず伝える結論:
使ってよい情報:
使ってはいけない情報:
トーン:
出力形式:
1枚目:タイトル
2枚目:課題
3枚目:原因
...
各スライドに「見出し」「本文3点」「入れるべき図解案」を付けてください。
数字・固有名詞は推測せず、必要箇所は【要確認】と書いてください。
2. 議事録要約プロンプト
以下の議事録を、社内報告資料に使える形に要約してください。
事実と推測を分けてください。
決定事項・未決事項・次アクション・担当者・期限に分類してください。
本文にない数字や固有名詞は追加しないでください。
3. スライド本文短文化プロンプト
以下の文章を、PowerPointの1スライドに載せられる長さに短くしてください。
条件:
・見出しは20字以内
・本文は箇条書き3点以内
・1項目は30字以内
・意味を変えない
・数字と固有名詞は変更しない
4. 事実確認用チェックプロンプト
以下のスライド原稿について、事実確認が必要な箇所を抽出してください。
分類は「数字」「固有名詞」「日付」「法令・制度」「出典が必要な主張」にしてください。
本文にない情報を補完しないでください。
5. 実績言語化プロンプト
以下の資料作成経験を、職務経歴書・副業提案文に使える表現へ変換してください。
条件:
・AIを使った工程
・人間が確認した工程
・短縮できた時間
・品質担保の方法
・成果物の用途
を必ず含めてください。
誇張せず、数字が不明な箇所は【要入力】にしてください。
プロンプトに「本文にない情報を作らない」を必ず入れます。この1文が、創作された数字や固有名詞の混入を減らします。
「知っている」で止めない生成AIスキルの証明|PEP検定
PEP検定が問うのは基礎的な知識はもちろん、実務においてどのように生成AIを活用するか、プロンプトを設計するかなど“実際に使いこなす力”です。日本初の実務特化検定で、AIエージェントのように動きの速い領域もシラバスが追従。学び直しの成果を、転職・副業・社内評価で通用する客観的な根拠に変えられます。
- ✓知識で止めず、プロンプト設計など“手を動かして使う力”を測る
- ✓CBTで全国いつでも受験可能
- ✓個人の転職・副業から、社員のリスキリング成果の証明まで対応
監修|北海道大学大学院 情報科学研究院 川村 秀憲 教授
人工知能・マルチエージェントシステム研究の第一人者。観光情報学会理事ほか。
機密情報を入力してよいかの判断基準
機密データの入力可否は、情報の区分と契約・設定の組み合わせで決まります。個人情報保護委員会は2023年6月に生成AIサービスの利用に関する注意喚起等についてを公表しています。まずこの一次情報を前提に置きます。
各サービスのデータ利用は公式ポリシーで確認します。OpenAIのプライバシーポリシー、Microsoft 365 Copilotのデータ保護資料、Googleのプライバシーポリシー、Anthropicのプライバシーポリシーが一次情報です。プラン変更で仕様は更新されるため、都度確認してください。
社外秘・個人情報・未公表数値のYES/NO判定
入力前に情報を区分で仕分けます。無料の一般向けサービスを使う場合の目安として読んでください。
- 個人情報(氏名・連絡先・履歴書・診断結果)→ 入力NG。特定個人が識別できる情報は避ける
- 取引先情報(契約条件・見積・担当者名)→ 入力NG。守秘義務の対象になりやすい
- 未公表数値(決算前の売上・原価・KPI)→ 入力NG。漏えいで市場に影響し得る
- 社外秘だが匿名化済み(数値を伏せた構成案)→ 条件つきYES。固有名詞と数字を外せば可
- 公開情報(プレスリリース・公式サイト記載)→ YES。制限なく使える
迷ったら「その情報が外部に出て困るか」を基準に、困るならNOと判断します。実務では、固有名詞と数字をダミーに置換してからAIに渡す方法が安全です。
無料版と法人プランで判断が変わる
同じ情報でも、契約と設定で可否は変わります。法人向けプランや管理者設定では、入力データの学習利用・保存期間・管理範囲が個人向けと異なる場合があります。可否はサービス名ではなく、契約プラン・管理者設定・データ利用ポリシー・社内規程の4点で確認します。
| 確認項目 | 無料・個人向け利用 | 法人・管理者付き利用 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 入力データの学習利用 | 学習・品質改善に使われる可能性を確認 | オプトアウトや契約条件を確認 | 公式ヘルプ・契約書 |
| データ保存期間 | 保存・履歴設定を確認 | 管理者設定・保持ポリシーを確認 | 管理画面・公式資料 |
| 社外秘の入力 | 原則避ける | 社内規程と契約範囲内のみ | 情シス・法務 |
| 個人情報の入力 | 原則避ける | 利用目的・同意・安全管理措置を確認 | 個人情報保護委員会・社内規程 |
| 退職者・外部委託者の利用 | アカウント管理が弱くなりやすい | 権限管理・ログ確認が必要 | 管理者画面 |
「ChatGPTだから危険」「Copilotだから安全」という判断ではなく、入力する情報と契約・設定の組み合わせで判断します。社内で線引きを共有するなら、区分ごとの可否を1枚にまとめる方法が近道です。手順は生成AI社内ガイドラインの作り方|形骸化を防ぐ手順と市場価値化で解説しています。法人研修で全社に判断基準を配布したい場合も、この区分表が土台になります。議事録での判断はChatGPT議事録の作り方|最短手順とコピペ用プロンプト・機密情報の判断フローも合わせて確認してください。
AI丸投げで質が落ちる失敗例
「生成AIは資料作成に使えない」と感じる人の多くは、丸投げが原因です。効かない工程まで任せて修正に追われています。具体的な失敗を知れば回避できます。
数字をAIに書かせた失敗
- 「前年比120%」と書かせたが、原本Excelでは108%だった
- 市場規模をAIに聞いたら、出典不明の金額が出た
- グラフの増減率を目視で解釈させたら、分母を間違えた
固有名詞をAIに任せた失敗
- 実在しない競合サービス名が比較表に入った
- 旧名称の制度・製品名のまま出力された
- 取引先担当者名を推測で補完した
提言をAIに任せた失敗
- 「顧客満足度向上が重要」といった空文になった
- 意思決定に必要なリスク・費用・期限が抜けた
- 誰が何をいつまでにやるかが曖昧になった
回避策は分業の徹底です。AIには構成・要約・整形だけ任せ、事実は人が原本から補強します。「使えない」のではなく「使う工程を間違えている」だけです。動画や画像生成は資料本体ではなく補助素材として使い、概念説明は図解、利用シーンは写真で補う程度に留めます。
プロンプトと運用のコツ
出力の質は依頼の仕方で変わります。整った短文だけ送ると、AIは決まった案に寄せて代替案を探しません。迷いも含めて渡すのがコツです。
迷いや引っかかりも明示して渡す
依頼時は結論だけでなく、自信のない点や引っかかりも書きます。「この構成に迷いがある」「別角度も見たい」と伝えると、焼き直しではない提案が返ります。音声入力を使うと、テキストで削るニュアンスを残せます。
Excel作業は「値が変わる前提」を伝える
数式や集計をAIに任せるなら、将来値が変わる可能性を明記します。変更リスクを伝えると、AIは閾値を数式内に埋め込まず、参照用セルを作る設計に変えます。結果として、閾値変更は入力値の書き換えだけで済みます。
「数式を作って」とだけ頼むと、定数が数式内に固定されます。条件が変わるたび修正が発生します。最初に前提を1文足すだけで、修正の手間が減ります。
資料作成スキルを職務経歴書で言語化する
生成AIで資料を速く作れても、それだけでは評価されません。評価につなげるには、成果を数字と型で言語化します。副業や転職で伝わる書き方を示します。
言語化の型は「工程・時間短縮・品質担保」の3点セットです。たとえば「構成と初稿をAIで作り、作成時間を1本3時間から1時間に短縮。数字と固有名詞は原本から検算して品質を担保」と書きます。作成時間の短縮幅は、原稿の有無・テンプレートの整備状況・確認工程で変わるため、下の数値は条件を固定した一例として扱ってください。
職務経歴書では、「AIで作成」だけでは弱いです。「数字は原本照合、固有名詞は公式確認、提言は自分で作成」まで書きます。評価されるのは、AIを触った経験ではなく、どの工程に使い、どこを人間が検証したかを説明できることです。
この説明に厚みを出す方法として、体系的な理解を証明する手段があります。PEP検定では、生成AIの使いどころ、リスク判断、業務適用の考え方を範囲として確認できます。資料作成の実績を職務経歴書や副業提案に載せるなら、検定で基礎理解を補強しておくと説明の裏づけになります。まずはPEP検定の出題範囲を確認し、資料作成・情報管理・業務効率化のどこが弱いかを洗い出してください。スキルを証拠として残す手順は生成AIスキルの証明方法|資格×ポートフォリオ×数字で示す30日手順も参考になります。
よくある質問
生成AIで作った資料をそのまま提出してよいですか
そのまま提出は避けてください。数字・固有名詞・事実は誤りが混じる前提です。原本から検算し、独自の主張は自分で言い切ってから提出します。
生成AIでPowerPointファイルを直接作れますか
Copilotや一部のAIスライドツールでは可能ですが、契約プラン・機能・情報管理の確認が必要です。ChatGPTやClaudeでは、構成・本文・話者ノートの作成に使うのが現実的です。ファイル完成より下処理に用途を絞ると事故が減ります。
生成AIで作った資料の著作権はどうなりますか
各サービスの規約と社内規程を確認してください。既存資料・画像・ロゴ・第三者の著作物を取り込む場合は、その扱いに注意が必要です。AIと著作権の考え方は文化庁の公表資料が一次情報になります。
社外秘を匿名化すればAIに入力できますか
完全に安全とは言えません。氏名・会社名・金額・案件名・日付・部署名などを外しても、組み合わせで特定される場合があります。無料・個人向け利用では、社外に出て困る情報は匿名化しても入れない判断が無難です。
生成AIでグラフや表も作れますか
グラフ案や表の構成は作れます。ただし元データの集計・軸・単位・割合は人間が確認します。数値の解釈をAIに任せると、分母や増減率を誤ることがあります。
資料作成で最初に覚えるべき生成AIスキルは何ですか
「要約」「短文化」「構成案」「事実確認リスト化」の4つです。いずれも素材が手元にあり、出力を検証しやすい工程です。この4つを体系的に整理したい場合は、PEP検定の出題範囲で自分の弱点を確認すると学習の順番が決めやすくなります。
「知っている」で止めない生成AIスキルの証明|PEP検定
PEP検定が問うのは基礎的な知識はもちろん、実務においてどのように生成AIを活用するか、プロンプトを設計するかなど“実際に使いこなす力”です。日本初の実務特化検定で、AIエージェントのように動きの速い領域もシラバスが追従。学び直しの成果を、転職・副業・社内評価で通用する客観的な根拠に変えられます。
- ✓知識で止めず、プロンプト設計など“手を動かして使う力”を測る
- ✓CBTで全国いつでも受験可能
- ✓個人の転職・副業から、社員のリスキリング成果の証明まで対応
監修|北海道大学大学院 情報科学研究院 川村 秀憲 教授
人工知能・マルチエージェントシステム研究の第一人者。観光情報学会理事ほか。
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