この記事の監修者
リスキルAIキャリア編集部
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Chain of Density(CoD)は、要約の文字数を変えずに情報密度を上げる反復プロンプト技術です。「要約が薄い」「数字や固有名詞が抜ける」問題を、5回の書き直しで解決します。短文や読みやすさ最優先の場面では、通常要約のほうが速くて安いです。この記事は実演例・原論文の評価軸・日本語テンプレ・検証プロンプト・使わない基準までを解説します。
先に結論です。CoDが向くのは、議事録・調査レポート・長文記事です。理由は、固有名詞・数値・期限の抜けが後工程のミスになるからです。SNS投稿や一言メモには過剰で、時間とトークンの無駄になります。
目次
- Chain of Densityの実例:通常要約と何が違うのか
- Chain of Density(CoD)とは?定義と向き不向き
- 原論文の評価軸と結論(arXiv:2309.04269)
- CoDを使うべきかの判断チェックリスト
- CoDプロンプトの書き方(原論文の英語版と日本語テンプレ)
- 実務3場面へのCoD要約の落とし込み
- 反復回数とエンティティ数の調整とコスト
- Faithful要件でハルシネーションを防ぐ検証手順
- Chain of Densityを使わない基準
- 他技術との使い分け(CoT・Self-Refine・プロンプトチェーン)
- CoDをPEP検定対策とキャリア証明に使う
- よくある質問
- 改訂ログ
Chain of Densityの実例:通常要約と何が違うのか

定義より先に、同じ元文の変化を見せます。通常要約とCoDでは、残る情報量が変わります。以下は説明用に作成したサンプルです。
元文:「2024年4月、A社は営業部門向けに生成AI研修を導入した。対象は120人。研修後、提案書作成時間は平均90分から55分に短縮。特にChatGPTを使った構成案作成と議事録要約で効果が出た。一方、個人情報を含む入力は禁止され、社内ガイドラインに沿った利用が求められた。」
| 段階 | 要約(サンプル) |
|---|---|
| 通常要約 | A社が営業部門に生成AI研修を導入し、提案書作成が効率化した。 |
| CoD 1回目 | A社は営業部門向けに生成AI研修を導入しました。目的は業務効率化です。導入後、提案書の作成が速くなりました。利用にはルールが設けられました。 |
| CoD 3回目 | 2024年4月、A社が営業120人に生成AI研修を導入しました。提案書作成は平均90分から55分に短縮しました。ChatGPTの活用で効率が上がりました。社内ガイドラインの順守が条件でした。 |
| CoD 5回目 | 2024年4月、A社が営業120人へ生成AI研修導入、提案書作成90分→55分、ChatGPT構成案作成・議事録要約が奏功、個人情報入力禁止・社内ガイドライン順守が条件。 |
通常要約で落ちた情報は「120人」「90分→55分」「個人情報入力禁止」です。CoDで残った情報は「対象人数」「短縮幅」「利用制約」です。5回目は名詞が詰まり、読みやすさが落ちます。実務では3〜4回目のほうが使いやすい場面が多いです。
Chain of Density(CoD)とは?定義と向き不向き

CoDは、エンティティを毎回1〜3個追加し、文字数を変えずに5回書き直す手法です。エンティティとは固有名詞・数値・専門語です。追加分のスペースは、冗長表現の圧縮・融合・削除で捻出します。反復ごとに要約は薄い状態から濃い状態へ変わります。
向き不向きを表で整理します。用途を確認してから使ってください。
| 観点 | 向いている | 向かない |
|---|---|---|
| 文書の長さ | 2,000字以上の長文 | 500字未満の短文 |
| 目的 | 参照用・抜け防止 | 速報・一言メモ |
| 読者 | 元文を読まず判断する人 | 元文も読む人 |
| コスト許容 | 5回反復のトークン増を許容 | 速度・単価を最優先 |
原論文の評価軸と結論(arXiv:2309.04269)

CoDはAdamsら(2023)の論文が初出です。論文名は『From Sparse to Dense: GPT-4 Summarization with Chain of Density Prompting』です。一次情報は次のリンクで確認できます。
一次情報:Adams et al. “From Sparse to Dense: GPT-4 Summarization with Chain of Density Prompting” arXiv: https://arxiv.org/abs/2309.04269
実験はCNN/DailyMailの記事を対象に、GPT-4でCoD要約を作成しました。評価軸はinformativeness、quality、coherence、attribution などです。論文の主張は「密度を上げればよい」ではありません。情報量は増えますが、過密になると読みやすさと品質が落ちます。読みやすさを保てる密度帯を選ぶ必要がある、という結論です。最終版が常に最良とは限りません。
Relevant/Specific/Novel/Faithful/Anywhereの5基準
追加するエンティティは、5基準を満たすものだけを選びます。日本語訳と実務の判断を併記します。
| 基準 | 意味 | 実務の判断 |
|---|---|---|
| Relevant | 本筋に関連する | 脇道の余談は入れない |
| Specific | 具体的・簡潔(5語以内) | 「対策」でなく「5つの対策」 |
| Novel | 前の要約に無い | 重複追加を禁止 |
| Faithful | 本文に実在する | 創作・推測を禁止 |
| Anywhere | 本文のどこにあってもよい | 末尾の数値も拾う |
このうちFaithfulが事実性の要です。後述する検証プロンプトで中心的な役割を果たします。
CoDを使うべきかの判断チェックリスト

概念だけでは実務判断に足りません。使う・使わないを即決できる基準を示します。次のうち2つ以上に当てはまるならCoDを使ってください。
- 本文が2,000字以上、または議事録が30分以上
- 残すべき固有名詞・数値・期限が10個以上ある
- 要約の読み手が、元文を読まずに判断する
- 抜け漏れが手戻り・誤判断・確認連絡につながる
- 通常要約で、重要エンティティが3個以上抜けた
逆に、次の場合は通常要約でよいです。
- 本文が500字未満
- 要約を読む人が元文も読む
- 重要エンティティが5個未満
- 目的が速報共有
- 多少の抜けが業務リスクにならない
CoDプロンプトの書き方(原論文の英語版と日本語テンプレ)
原論文の英語版と、実務用の日本語版を使い分けます。まず一次情報の英語プロンプトを引用します。以下は、Adams et al. の論文に掲載されたCoDプロンプトの要旨です。出典は上記arXiv:2309.04269です。
Article: {{ARTICLE}}
You will generate increasingly concise, entity-dense summaries of the above article.
Repeat the following 2 steps 5 times.
Step 1. Identify 1-3 informative entities (“;” delimited) from the article which are missing from the previously generated summary.
Step 2. Write a new, denser summary of identical length which covers every entity and detail from the previous summary plus the missing entities.
A missing entity is: relevant, specific (5 words or fewer), novel, faithful (present in the article), anywhere.
Guidelines: first summary ~80 words, non-specific; make every word count via fusion, compression, and removal of uninformative phrases; never drop entities; use the exact same number of words for each summary.
Answer in JSON as a list (length 5) with keys “Missing_Entities” and “Denser_Summary”.
日本語コピペテンプレ(制約付き)
日本語ではモデルが文字数を守りにくいです。崩れを防ぐ制約を足したテンプレを示します。{{本文}}に対象を入れてください。
本文: {{本文}}
あなたは上記本文について、文字数を一定に保ちながら密度を段階的に上げる要約を作ります。
以下の2ステップを5回繰り返してください。
ステップ1: 直前の要約に無い重要なエンティティ(固有名詞・数値・専門語)を1〜3個挙げる。
ステップ2: 文字数を変えず、直前のエンティティを全て残し、新しいエンティティを加えて書き直す。
制約:
・各要約は180〜220字に収める
・5回すべてを同じ文体で書く
・体言止めを連続させない
・1文は60字以内
・数値・固有名詞・期限は本文と完全一致させる
・本文にない補足、推測、一般論を追加しない
・既存エンティティは削除しない。スペースが作れなければ追加数を減らす
・最後に「削除した情報」と「追加した情報」を表で出す
出力は5行のJSON配列で、キーは「追加エンティティ」と「密度要約」。
JSONが扱いにくい場合は、表形式で出力させてください。初〜中級者にはこちらが読みやすいです。
| 回 | 追加エンティティ | 密度要約 |
|---|---|---|
| 1 | – | … |
| 2 | … | … |
| 3 | … | … |
| 4 | … | … |
| 5 | … | … |
プロンプト設計の基礎はプロンプトのフレームワーク9選で確認できます。プロンプト設計を体系的に学び、要約・検証・出力制御まで説明できる力を客観化したい人は、PEP検定の出題範囲と受検方法も参考になります。
実務3場面へのCoD要約の落とし込み
CoDを使いやすいのは、議事録・調査レポート・長文記事です。用途ごとに残すエンティティが変わります。汎用テンプレの末尾に、次の追記文を貼ってください。
議事録:決定事項と担当者を落とさない
議事録で最も抜けやすいのは、担当者名と期限です。次の追加指示を足してください。
追加指示:
決定事項、未決事項、担当者、期限、数値条件を優先して残してください。
発言者名がある場合は、意思決定に関係する発言のみ残してください。
雑談、挨拶、重複発言は削除してください。
調査レポート:出典と数値の忠実性を守る
調査レポートでは、数値の丸めや単位の取り違えを潰します。次の追加指示を足してください。
追加指示:
調査年、調査主体、サンプル数、割合、比較対象を優先して残してください。
数値は本文と完全一致させ、単位を省略しないでください。
本文にない因果関係を追加しないでください。
長文記事:主張と根拠の対応を保つ
長文記事では、結論だけ残して根拠が消える失敗を防ぎます。次の追加指示を足してください。
追加指示:
主張、根拠、事例、反論、結論の対応関係を崩さないでください。
結論だけを残して根拠を削らないでください。
筆者の意見と引用・事実を分けてください。
「知っている」で止めない生成AIスキルの証明|PEP検定
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- ✓個人の転職・副業から、社員のリスキリング成果の証明まで対応
監修|北海道大学大学院 情報科学研究院 川村 秀憲 教授
人工知能・マルチエージェントシステム研究の第一人者。観光情報学会理事ほか。
反復回数とエンティティ数の調整とコスト
原論文は5反復・1〜3個ですが、実務では過剰なことが多いです。用途別の目安を数値で示します。
| 用途 | 推奨反復 | 1回の追加数 |
|---|---|---|
| チャット共有向け | 2〜3回 | 1個 |
| 議事録・社内共有 | 3〜4回 | 1〜2個 |
| 調査レポート精読用 | 4〜5回 | 2〜3個 |
CoDは5つの要約を出力します。単発要約に比べ、出力トークンは約5倍に増えます。常時5反復は過剰投資になりがちです。GPT-4系とClaude系はどちらもJSON出力に対応しますが、日本語の文字数順守の精度はモデルで差が出ます。最新の料金は各社の公式料金ページで確認してください。
密度が濃すぎて読めない失敗の直し方
密度が上がりすぎると、名詞の羅列になり読めなくなります。直し方は3つです。
- 採用する要約を5回目でなく3〜4回目に戻す
- 1回の追加数を3個から1個へ減らす
- 「文は主語+述語を保ち、名詞の羅列を禁止」と制約を足す
密度と可読性はトレードオフです。最濃が最良とは限りません。用途ごとに読める最大密度を選んでください。
Faithful要件でハルシネーションを防ぐ検証手順
CoDは密度を上げる過程で、本文に無い情報を混ぜるリスクがあります。Faithful基準を検証工程に組み込むと、事実捏造を減らせます。引用照合で根拠のない固有名詞と数値を削れます。特に数値・日付・担当者名は本文と1対1で確認します。
次の検証用プロンプトをそのまま使ってください。
本文:{{本文}}
要約:{{CoD要約}}
次の手順で検証してください。
1. 要約内の固有名詞・数値・日付・専門用語をすべて抽出する
2. 各項目について、本文内の該当箇所を原文引用する
3. 本文に該当箇所がない項目は「根拠なし」と判定する
4. 数値・日付・単位が本文と違う場合は「不一致」と判定する
5. 最後に、削除すべき表現を一覧にする
出力形式:
| 要約内の項目 | 本文内の引用 | 判定 | 修正案 |
生成AIの誤情報の原因と対策はハルシネーションの原因・事例・5つの対策で確認できます。Faithful照合を省いた要約は、実務で使ってはいけません。
Chain of Densityを使わない基準
CoDは万能ではありません。次のいずれかに当てはまるなら、通常要約を選んでください。
- 本文が500字未満で、抜け漏れリスクが低い
- 読みやすさが最優先で、名詞密度が邪魔になる
- 速報性が高く、5反復の時間を待てない
- トークンコストを抑えたい
モデル性能は更新が速いため、特定時点の優劣は断定しません。最新の大規模言語モデルでは、短〜中文の通常要約でも十分な品質になる場面が増えています。まず通常要約で試し、抜けが実害になる時だけCoDへ切り替えるのが合理的です。比較は、同じ文書で抜けた固有名詞・数値・期限の数で行ってください。
他技術との使い分け(CoT・Self-Refine・プロンプトチェーン)
CoDは要約特化の技術です。汎用の推論技術とは目的が違います。判断軸を表で整理します。
| 技術 | 主目的 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Chain of Density | 要約の情報密度向上 | 抜け漏れを防ぐ要約 |
| CoT(思考の連鎖) | 推論の中間過程を出す | 計算・論理問題 |
| Self-Refine | 自己批評で品質改善 | 文章の推敲・校正 |
| プロンプトチェーン | タスク分割で精度向上 | 複数工程の業務自動化 |
要約を大量に処理するなら、CoDを工程の1つとしてチェーンに組み込みます。分割設計の考え方はプロンプトチェーンで業務を分割しAIの精度を上げる手順で解説しています。単発の要約はCoD単体、業務化はチェーンと覚えてください。
CoDをPEP検定対策とキャリア証明に使う
CoDは単なる要約テクニックではありません。次のプロンプト設計力を確認できます。
- 目的に応じて出力制約を設計する力
- エンティティ抽出の条件を定義する力
- 反復処理で品質を改善する力
- ハルシネーションを検証する力
- 業務用途に合わせてテンプレを調整する力
この力は、業務改善からキャリア証明へつながります。議事録要約でCoDを使い、作業時間を短縮します。次に、その成果を職務経歴書に数値で書きます。さらに、プロンプト設計力を検定で客観化します。「AIで要約できます」ではなく、Before/Afterと数値で語ると評価が変わります。
検定を考えるなら、CoDを丸暗記しないでください。「なぜ1〜3個ずつ追加するのか」「なぜFaithful条件が必要か」「どの場面で使わないか」を説明できる状態を目指します。出題範囲と受検方法はプロンプトエンジニアリング資格の選び方|PEP検定を費用と範囲で比較で確認できます。
法人では、要約業務の効率化に研修が効きます。CoDのテンプレと検証手順をチームで共有すると、議事録・調査レポートの品質が揃います。属人化を防ぎ、確認工数を減らせます。
よくある質問
Chain of Densityは日本語でも使えますか?
使えます。原論文は英語ですが、日本語でも反復で密度は上がります。「語数一定」は日本語では「文字数一定」に読み替えてください。1回目の目安は約200字が扱いやすいです。
反復は必ず5回必要ですか?
必須ではありません。社内共有なら3〜4回で足りることが多いです。5回目は密度が濃く読みにくくなる場合があります。用途に応じて2〜5回で調整してください。
CoDと通常要約の精度差はどれくらいですか?
原論文は人間評価で密度の向上を報告しています。ただし数値の一般化は避けます。文書や条件で結果が変わるためです。自分の文書で通常要約と比較検証するのが確実です。
事実の捏造は完全に防げますか?
完全には防げません。Faithful基準と引用照合でリスクを下げるのが現実的です。数値・固有名詞は必ず本文と目視照合してください。
CoDを学ぶ一次情報はどこですか?
Adamsら(2023)のarXiv:2309.04269が一次情報です。https://arxiv.org/abs/2309.04269でプロンプト全文と5基準を確認できます。翻訳や解説は補助として使ってください。
改訂ログ
この記事は2026年7月30日に改訂しました。実演例・原論文の評価軸・検証プロンプト・判断チェックリストを追加しました。モデル性能と料金は更新が速いため、半年ごとに見直します。最新情報は各社の公式ページとarXivの原論文で確認してください。
「知っている」で止めない生成AIスキルの証明|PEP検定
PEP検定が問うのは基礎的な知識はもちろん、実務においてどのように生成AIを活用するか、プロンプトを設計するかなど“実際に使いこなす力”です。日本初の実務特化検定で、AIエージェントのように動きの速い領域もシラバスが追従。学び直しの成果を、転職・副業・社内評価で通用する客観的な根拠に変えられます。
- ✓知識で止めず、プロンプト設計など“手を動かして使う力”を測る
- ✓CBTで全国いつでも受験可能
- ✓個人の転職・副業から、社員のリスキリング成果の証明まで対応
監修|北海道大学大学院 情報科学研究院 川村 秀憲 教授
人工知能・マルチエージェントシステム研究の第一人者。観光情報学会理事ほか。
【法人向け】生成AI研修パッケージ(PEP検定連動)
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