ReWOOプロンプトとは?ReActより安い理由と使い分け・再現手順

ReWOOプロンプトとは?ReActより安い理由と使い分け・再現手順

この記事の監修者

リスキルAIキャリア編集部

リスキルAIキャリア編集部

リスキルAIキャリアは、AI時代の学び直し・キャリア形成・副業・転職に役立つ情報を発信するWebメディアです。編集部では、生成AIスキルの身につけ方、AI関連スクール・講座の選び方、キャリアアップにつながる学習方法などを、実務目線でわかりやすくお届けしています。

ReWOOプロンプトは、計画を先に立ててから一気に実行する「計画先行型」の手法です。外部ツールを2回以上呼ぶ調査では安くなり、単純な要約や分類では逆に遅く高くつきます。この記事は、副業や業務でAIコストを抑えたい初〜中級者向けに、仕組み・ReActとの違い・手で再現する手順・使わない基準を実値でまとめます。

結論を先に言います。多段の調べ物や複数ツールを呼ぶ調査にはReWOOが向きます。1回で答えが出る質問や外部情報が不要な処理にはDirect Promptが速くて安いです。ここを取り違えると、コストも精度も悪化します。

タスク ReWOO向きか 理由 推奨手法
競合5社の価格調査 検索対象が複数で手順を固定できる ReWOO
3記事から事実を抽出して比較表化 複数ソースの取得と統合が必要 ReWOO
最新ニュースを見て仮説を変える調査 途中で方針転換が必要 ReAct
1記事の要約 × ツール呼び出し不要 Direct Prompt
メール文面の分類 × 単発処理で十分 Direct Prompt
数学・論理の多段推論 外部ツール不要ならReWOOではない Plan-and-Solve

最初の分岐は「外部ツールを2回以上呼ぶか」です。呼ばないならReWOOを使う理由はほぼありません。手法の選び方に自信がない人は、後半のPEP検定の観点も合わせて確認してください。

ReWOOプロンプトとは?計画先行で観察を切り離す手法

ReWOOプロンプトとは?計画先行で観察を切り離す手法

ReWOOは「Reasoning WithOut Observation」の略で、推論とツール観察を分離する手法です。論文「ReWOO: Decoupling Reasoning from Observations for Efficient Augmented Language Models」(Xu et al., arXiv:2305.18323, 2023年5月)で提案されました。論文の原文はarXiv(https://arxiv.org/abs/2305.18323)で公開されています。

従来のReActは「考える→ツールを呼ぶ→結果を見る」を毎回LLMに投げ直します。ReWOOは最初に全体計画を立ててから実行します。推論部分とツール観察部分を分け、LLMへの再入力を減らす設計です。

ねらいは、ツール結果(観察)をプロンプトへ何度も差し戻さないことです。観察を挟むたびに履歴を丸ごと再送するため、トークンが膨らみます。ReWOOは観察を毎回LLMに戻さず、トークンの重複送信を構造的に減らします。

Reasoning WithOut Observationの意味

Reasoning WithOut Observationは「観察を待たずに推論する」設計思想です。ReActは各ステップで実行結果を見てから次を決めます。ReWOOは結果を見る前に、必要な手順とツール呼び出しを計画段階でまとめます。

違いが効くのはLLM呼び出し回数です。ReActはステップ数だけLLMを呼びます。ReWOOは原則2回、つまり計画と最終回答の2回で済みます。呼び出しが減れば、レイテンシとコストの両方が下がります。

ReWOOのPlannerからWorker、Solverへの流れ

ReWOOはPlanner・Worker・Solverの3役割で動きます。担当を明確に分けるのが特徴です。処理の流れは次の順に進みます。

  1. Planner(計画):質問を分解し、ツール呼び出しの手順を先に列挙します。各結果を「#E1」「#E2」の変数に格納する設計にします。
  2. Worker(実行):Plannerの手順に沿って、検索や計算を実際に実行します。ここにLLMの推論は基本的に入りません。
  3. Solver(統合):Workerの結果をまとめ、最終回答を生成します。ここで初めてLLMが結果を読み込みます。

図で示すと「質問→Planner(計画#E1〜)→Worker(各#Eを実行)→Solver(#Eを統合し回答)」という一方向の流れです。LLMが関与するのは計画と統合の2回だけで、実行の途中経過はLLMに戻しません。これがトークン削減の中核です。

ReWOOがReActより安い理由をトークン計算で確認する

ReWOOがReActより安い理由をトークン計算で確認する

ReWOOが安い理由は、ツール観察をLLMに毎回差し戻さないからです。ReActは観察が増えるほど履歴が長くなり、トークンが累積します。累積の差を簡易モデルで示します。

前提は次の通りです。初期質問500トークン、各ツール結果800トークン、推論文が各ステップ300トークン、ツール呼び出しは5回とします。この条件で送信トークンの累積を比べます。

ReActの呼び出し 送信内容 送信トークン
1回目 質問 500
2回目 質問+結果1+推論1 1,600
3回目 質問+結果2件+推論2件 2,700
4回目 質問+結果3件+推論3件 3,800
5回目 質問+結果4件+推論4件 4,900
最終統合 質問+結果5件+推論5件 6,000
合計 約19,500
ReWOOの呼び出し 送信内容 送信トークン
Planner 質問500+計画700 1,200
Solver 指示500+ツール結果4,000+計画700 5,200
合計 約6,400

この例ではReWOOは約67%削減で、論文の64%削減と近い数字になります。ただし、ツール結果が短いタスクやステップ数が少ないタスクでは差は縮みます。この計算は説明用の簡易モデルで、実測値ではありません。

論文報告値と運用目安を切り分ける

論文(arXiv:2305.18323)はHotpotQAで数値を報告しています。ReWOOはReActと比べ約5倍のトークン効率を示し、正解率も向上したとされます。6評価セット平均で、ReAct比64%のトークン削減も報告されました。

数値 種類 使い方
約5倍のトークン効率 論文報告値 期待値の参考。再現保証ではない
64%削減 論文報告値 ReAct比の目安。業務適用前に実測が必要
20%以上削減 運用目安 自社・個人業務で採用するかの判断基準

論文値は、特定タスク・特定実装での比較結果です。自分の業務で同じ削減率が出るとは限りません。採用判断には、同じ質問セットでReAct型とReWOO型を並べ、入力トークン・出力トークン・料金・所要時間を測る必要があります。

ReWOO・ReAct・Plan-and-Solveの使い分け早見表

ReWOO・ReAct・Plan-and-Solveの使い分け早見表

3手法はコスト・柔軟性・向くタスクの3軸で使い分けます。全体像を表で示します。

手法 トークンコスト 柔軟性・堅牢性 向くタスク
ReWOO 低(ReAct比で最大64%減) 実行途中の柔軟性は低い/失敗の切り離しには強い 多段の調査・複数ツールを使う定型手順
ReAct 高(観察のたびに履歴を再送) 途中で方針転換でき柔軟 探索的で先が読めない対話・調査
Plan-and-Solve 中(計画→逐次実行) 計画重視で中程度 ツール不要の多段推論・計算問題

選び方の目安を示します。手順が事前に見通せるならReWOO、先が読めず対話で進めるならReAct、外部ツールが不要な推論ならPlan-and-Solveです。ReActの仕組みはReActプロンプトとは?CoTとの違いと使いどころ、Plan-and-SolveはPlan-and-Solveプロンプトとは?CoTとの違いと使い分け基準で確認できます。

「手順を事前に固定できるか」が、ReWOOとReActを分ける実務上の判断軸です。計画が読めるならReWOOでコストを削り、読めないならReActで柔軟性を取ります。Direct Prompt・ReAct・Plan-and-Solve・ReWOOをタスク別に選ぶ力は、後半で触れるPEP検定でも問われる観点です。

ReWOOを手で再現する計画先行の3ステップ(LangGraphなし)

ReWOOを手で再現する計画先行の3ステップ(LangGraphなし)

非エンジニアでも、ChatGPTやClaudeでReWOOの考え方を手で再現できます。フレームワークは不要です。計画・実行・統合を人間が3回に分けて回します。

ステップ1:Plannerで手順と変数を先に出す

最初に、AIへ計画だけを作らせます。答えは出させず、手順の設計に集中させます。次の雛形をコピペして使えます。

「次の質問に答えるための計画だけを作ってください。まだ回答はしないでください。各ステップに番号を振り、結果を#E1、#E2の形で定義してください。必要な調査先も明記してください。」

ステップ2:Workerで各手順を実行する

次に、計画の各ステップを実際に処理します。検索が必要ならブラウザやツールで調べ、結果を#E1、#E2として手元にメモします。この段階でAIに全履歴を渡さず、必要な事実だけを集めます。

ここが手動ReWOOの肝です。ReActのように結果をそのまま流し込まず、要点だけを短く整理します。実行結果を短く要約して渡すことが、そのままトークン削減につながります。

ステップ3:Solverで結果を統合し回答を作る

最後に、集めた事実をまとめてAIへ最終回答を作らせます。ここで初めて#E1〜#Enの内容を渡します。雛形は次の通りです。

「以下の計画と各ステップの結果をもとに最終回答を作成してください。不明点は不明と書き、推測で補わないでください。」

例:AIライティング代行3社の料金を比較する

副業で発注先を選ぶ場面を例に、3ステップを通しで示します。以下のデータはすべて説明用の「例」で、実在企業の値ではありません。実企業を扱うなら必ず公式料金ページを参照させてください。

Plannerへの入力は次のように書きます。「AIライティング代行A社・B社・C社の料金、納期、対応範囲を比較し、副業で発注先を選ぶならどこがよいか判断したい。計画だけを作り、結果を#E1〜の形で定義してください。」

Plannerの出力例は次の形です。「#E1:A社の料金・納期・対応範囲を公式サイトから取得/#E2:B社を同様に取得/#E3:C社を同様に取得/#E4:価格・納期・対応範囲・副業向けの使いやすさで比較」。

Workerでは各#Eを実行し、要点だけメモします。例として「#E1:A社/料金1記事10,000円〜/納期5営業日〜/SEO記事・構成・リライト。#E2:B社/文字単価3円〜/納期要相談/取材・SEO記事。#E3:C社/月額50,000円〜/月内複数本/記事制作・画像選定・CMS入稿」。

Solverには#E1〜#E4だけを渡し、比較表と選び方を作らせます。検索結果を丸ごと貼らず、#E形式で要点だけ渡すことがコスト差を生みます。この分割で、AIへの長文再送を避けられます。

「知っている」で止めない生成AIスキルの証明|PEP検定

PEP検定が問うのは基礎的な知識はもちろん、実務においてどのように生成AIを活用するか、プロンプトを設計するかなど“実際に使いこなす力”です。日本初の実務特化検定で、AIエージェントのように動きの速い領域もシラバスが追従。学び直しの成果を、転職・副業・社内評価で通用する客観的な根拠に変えられます。

  • 知識で止めず、プロンプト設計など“手を動かして使う力”を測る
  • CBTで全国いつでも受験可能
  • 個人の転職・副業から、社員のリスキリング成果の証明まで対応

監修|北海道大学大学院 情報科学研究院 川村 秀憲 教授
人工知能・マルチエージェントシステム研究の第一人者。観光情報学会理事ほか。

生成AIの実務に活きるPEP検定の詳細を見る →

ReWOOを使う基準・使わない基準を数値で判断する

ReWOOを使うかは、計画作成の手間と削減額の大小で決まります。判断を実務に落とすため、しきい値で整理します。

ReWOO化する目安は次の条件です。

  • 外部検索・DB参照・計算ツールを2回以上使う
  • 同じ型の調査を月5回以上繰り返す
  • 1回あたりの入力・検索結果が合計3,000トークンを超える
  • 手順を先に箇条書きできる
  • 失敗したステップだけ再実行したい

ReWOOを使わない目安は次の条件です。

  • 1回の質問で答えが出る
  • 要約・翻訳・分類など外部情報が不要
  • 調査途中で仮説を変える必要がある
  • 検索結果を見ないと次の検索語が決まらない
  • 計画作成の手間が削減額を上回る

なお「削減率20%以上でReWOO化を検討」は社内運用上の目安で、論文由来の数値ではありません。外部ツールが不要なら、素直に1回で聞くDirect Promptが最速で最安です。要約・翻訳・分類・一般知識の質問がこれに当たります。

判断フローは上から順に当てはめます。外部ツールが不要ならDirect Prompt。ツール不要だが多段推論ならPlan-and-Solve。ツールが必要で手順を固定できるならReWOO。ツールが必要で方針転換が読めないならReActです。

ツール実行が失敗しても崩れにくい堅牢性

ReWOOの運用上の利点は、実行失敗への耐性です。計画と実行が分離しているため、あるツールが失敗しても計画全体が壊れにくい構造です。ReActは1つの観察エラーが後続の推論を巻き込みやすい設計です。

競合5社の価格を調べる例で考えます。ReWOOなら「5社分を調べる」計画が先にあります。1社の検索が失敗しても、残り4社の実行は独立して続きます。失敗箇所だけ再実行すれば済みます。

失敗した1ステップだけを差し替えられる構造は、定型の調査業務で運用コストを下げます。毎回ゼロから対話をやり直すReActと比べ、再現性と保守性で有利です。

ReWOOを学ぶなら、PEP検定で問われる「手法選択力」まで押さえる

ReWOO単体を暗記しても実務では弱いです。求められるのは、Direct Prompt・Plan-and-Solve・ReAct・ReWOOをタスク別に選ぶ力です。手法を1つ知るより、目的・制約・コストから選び分ける観点が成果を左右します。

この選択力は、副業でAI代行やリサーチを請ける人ほど原価に直結します。同じ調査でも手法を誤ると、トークン費用が数倍変わるためです。まず現状の使い方で1タスクのトークン量を測り、ReWOO型に組み直して削減幅と精度を比べてください。

PEP(Prompt Engineering Professional)検定では、プロンプト手法を目的・制約・コストから選ぶ観点を確認できます。受検前に、この記事の判定表を使って自分の業務を5つ分類してみてください。手法選択の根拠を言語化する練習になります。

資格だけで案件獲得や転職成功が決まるわけではありません。ただし、手法選択の根拠を説明する材料にはなります。生成AIを「なんとなく使う」段階から、コスト・精度・手法選択まで説明できる状態にしたい人は、PEP検定の出題範囲と受検要項を確認してください。

よくある質問

ReWOOにするとAPI料金はいくら下がりますか?

一律には下がりません。削減額はツールの呼び出し回数と検索結果の長さで変わります。本文の計算例のように、5ステップ以上の調査では差が出やすいです。採否を決める前に、入力トークン・出力トークン・所要時間・失敗回数を実測してください。

ChatGPTやClaudeだけでReWOOは使えますか?

手動なら使えます。ただし本来のReWOOはツール実行部分を分離する設計です。チャット画面でやる場合は、Planner・Worker・Solverを別プロンプトに分けてください。検索結果を丸ごと貼らず、#E1形式で要点だけ渡すとコスト差が出ます。

ReWOOはAIエージェント開発者向けですか?

元の文脈はエージェント設計寄りです。ただし非エンジニアでも、調査業務の分割手順として使えます。コード不要で使う場合は、コスト削減より「手順の再現性」が主な利点になる場合があります。

論文の64%削減は必ず再現できますか?

必ずとは限りません。arXiv:2305.18323の数値は特定の評価セットでの結果です。タスク・ツール・モデルが変われば削減率も変わります。自分のデータでReAct型とReWOO型を並べて測る姿勢が安全です。

ReWOOとPlan-and-Solveの違いは何ですか?

主な違いは外部ツールの有無です。Plan-and-Solveはツールを使わない多段推論に向き、ReWOOは検索や計算などツール実行を前提とします。どちらも計画先行という点は共通します。ツールを呼ぶかどうかで切り分けます。

まずどのタスクからReWOO化すべきですか?

ツールを2回以上呼ぶ定型の調査業務から始めます。競合価格の一覧化、複数ソースからの事実収集が好例です。1回のツール呼び出しで終わるタスクは、Direct Promptのままにしておく方が速くて安いです。

「知っている」で止めない生成AIスキルの証明|PEP検定

PEP検定が問うのは基礎的な知識はもちろん、実務においてどのように生成AIを活用するか、プロンプトを設計するかなど“実際に使いこなす力”です。日本初の実務特化検定で、AIエージェントのように動きの速い領域もシラバスが追従。学び直しの成果を、転職・副業・社内評価で通用する客観的な根拠に変えられます。

  • 知識で止めず、プロンプト設計など“手を動かして使う力”を測る
  • CBTで全国いつでも受験可能
  • 個人の転職・副業から、社員のリスキリング成果の証明まで対応

監修|北海道大学大学院 情報科学研究院 川村 秀憲 教授
人工知能・マルチエージェントシステム研究の第一人者。観光情報学会理事ほか。

生成AIの実務に活きるPEP検定の詳細を見る →

【法人向け】生成AI研修パッケージ(PEP検定連動)

PEP検定シラバスに完全連動した企業向けeラーニング研修。全社員向け/選抜者向けの2プランをご用意。※現在準備中。先行案内をご希望の方はこちらへ。

研修パッケージの先行案内を受け取る →

※ 現在準備中です