Plan-and-Solveプロンプトとは?CoTとの違いと使い分け基準

Plan-and-Solveプロンプトとは?CoTとの違いと使い分け基準

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リスキルAIキャリア編集部

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結論から示します。Plan-and-Solve(PS)プロンプトは、手順が長く、条件が多く、抜け漏れが損失になるタスクで効きます。単発Q&Aや短い要約では不要です。

この記事は論文の紹介で終わりません。PSが今も効く場面と、不要になる場面を、実務タスク単位で判定します。副業・転職・業務改善で使える日本語テンプレ3種と、自分の業務で効くか確かめる検証手順も示します。最終更新日は2026年8月3日です。

Plan-and-Solveプロンプトとは?意味と仕組み

Plan-and-Solveプロンプトとは?意味と仕組み

Plan-and-Solveプロンプトは、先に計画を立て、その計画に沿って実行させる2段階の指示手法です。略してPSプロンプトと呼びます。Wang et al. の論文「Plan-and-Solve Prompting」(ACL 2023, arXiv:2305.04091)で提案されました。

狙いはZero-shot CoTの弱点補強です。「Let’s think step by step」だけでは、途中の計算ミスや手順飛ばしが起きます。この指示は Kojima et al. の論文(NeurIPS 2022, arXiv:2205.11916)が起点です。PSは「変数の理解→計画立案→逐次実行」を明示させ、抜け漏れを減らします。

PSプロンプトの定義と出典

PSの核は次の指示文です。「Let’s first understand the problem and devise a plan to solve the problem. Then, let’s carry out the plan and solve the problem step by step.」

論文の評価は数学・記号推論ベンチが中心です。日本語の提案書や見積での効果を保証したものではありません。数値を鵜呑みにせず、自分のタスクで検証してください。

PS+プロンプトとの違い

PS+はPSに詳細指示を足した強化版です。同じ論文内で提案されています。追加される指示は主に3点です。

  • 関連する変数と数値を先に抽出させる
  • 途中計算を丁寧に書かせ、計算ミスを減らす
  • 計画に沿って一つずつ実行させる

PS+は、変数抽出と自己チェックを追加するため、条件漏れを見つけやすい手法です。ただし出力は長くなります。トークンとレイテンシが増える点は後半のコスト節で扱います。

論文で報告されたPS/PS+の精度

論文で報告されたPS/PS+の精度

論文のTable 1では、text-davinci-003を使い、Zero-shot CoT・PS・PS+の正答率を比較しています。代表的な算数推論ベンチの報告値を並べます。正確な全項目はarXiv:2305.04091で確認してください。

ベンチマーク タスク内容 Zero-shot CoT PS PS+ 読み方
GSM8K 小学校レベルの算数文章題 56.4 58.2 59.3 多段推論でやや改善
SVAMP 短い算数文章題 69.9 72.0 75.7 PS+で明確に改善
MultiArith 複数演算の算数題 83.8 87.2 91.8 多手順で伸びが大きい
AQuA 選択式の代数問題 38.9 42.5 46.0 難問ほど計画が効く

数値はいずれもtext-davinci-003での報告値です。手順が多いMultiArithやSVAMPほど、PS+の伸びが大きくなっています。単純タスクほど差は小さくなります。

Plan-and-SolveプロンプトとCoTの違い

Plan-and-SolveプロンプトとCoTの違い

最大の違いは計画の明示です。CoTは思考過程を促すだけです。PSは先に計画を立てさせてから実行させます。

比較項目 Zero-shot CoT Plan-and-Solve(PS/PS+)
指示の核 step by stepで考えて 計画→実行の2段階
抜け漏れ耐性 中(手順を飛ばしやすい) 高(計画で全体像を固定)
出力の長さ 短〜中 長い
得意タスク 短い推論・単発 手順が長い・多変数
コスト 低い 高い(トークン増)

比較表だけでは判断できません。実務では次の判断式で選びます。

CoTで十分な条件です。

  • 答えまでの手順が3ステップ以内
  • 入力条件が1〜2個
  • 出力の型が多少ブレても問題ない

PSを使う条件です。

  • 手順が4〜5ステップ以上
  • 条件・制約・数値が3個以上
  • 出力順序を固定したい

PS+を使う条件です。

  • 見積、要件定義、提案書、監査チェックのように抜け漏れが損失になる
  • 入力条件を先に棚卸ししないと誤答する

CoT自体をまだ整理できていない場合は、先に思考の連鎖プロンプトとはで、Zero-shot CoTとFew-shot CoTの違いを確認してください。

推論モデル時代にPlan-and-Solveは効くのか

推論モデル時代にPlan-and-Solveは効くのか

結論は「限定的に効く」です。推論特化モデルや最新LLMでは、複雑な指示に対する分解能力が上がっています。単純タスクでは、PSの計画指示が冗長になる場面もあります。

出力構成を人間側で固定したい場合は、Plan-and-Solveの「計画を明示させる」指示がまだ有効です。例えば提案書を「現状→課題→施策→効果→リスク」の順で必ず埋めたいとき、計画節でこの見出しを指定すると崩れません。

不要になる場面も明確です。数式1問、短いメール返信、事実確認の単発Q&Aでは、内部推論だけで足ります。ここでPSを足すと、待ち時間と文字数が増えるだけです。手法選びの全体像はプロンプトのフレームワーク9選で俯瞰できます。

Plan-and-Solveを使う基準と使わない基準

迷ったらチェックリストで判定します。3つ以上当てはまればPS/PS+を試します。

計画立案が効く条件

  • 手順が5ステップ以上に分かれる
  • 入力に変数・条件が3つ以上ある
  • 抜け漏れが成果物の致命傷になる(提案書・監査・見積)
  • 出力の順序や構成を毎回そろえたい
  • 途中計算や集計を伴う

使わないほうがよい条件

  • 単発Q&A・事実確認・短い要約
  • 推論モデルが内部で計画する短タスク
  • レイテンシを最優先する対話UI
  • 入力が短く変数が1つだけ

短文要約なら使いません。提案書・見積・要件整理ならPS+から試します。段階分解が目的なら難問を小問に割るLeast-to-Mostも比較候補になります。

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2段階呼び出しのコストと損益基準

PSの隠れコストはトークン増とレイテンシです。計画と実行を分けて2回呼び出すと、API課金は増えます。1プロンプト内で計画→実行させても、出力トークンは伸びます。

試算例を示します。

  • 素の指示:入力800字、出力1,200字
  • PS+:入力1,300字、出力2,500字
  • 増加分:出力が約2.1倍
  • 人間の修正時間が15分→5分に減るなら採用余地あり
  • 修正時間が変わらないなら不採用

やり直しの人件費が、増えたトークン分を上回るタスクだけ採用します。金額は使うモデルで変わります。OpenAI API PricingAnthropic Pricingの公式ページで、現在の単価を確認してください。

そのまま貼れる日本語プロンプトテンプレ3種

副業・転職・業務改善の3用途で使えるPS+テンプレを用意しました。空欄を埋めて貼るだけで動きます。

副業案件の提案文を作るPS+テンプレ

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転職面接の回答を設計するPS+テンプレ

あなたは転職面接のコーチです。次の質問と私の経歴をもとに、回答を設計してください。【質問】想定される面接質問。【私の経歴】職務内容/実績(数値)/生成AI活用の経験/志望動機。手順:(1)質問が評価している観点を抽出する(2)私の経歴から使える根拠を選ぶ(3)結論→根拠→数値→再現性の順で構成する(4)回答を作成する(5)盛りすぎや矛盾がないか自己チェックする。

生成AI業務改善の提案書を作るPS+テンプレ

あなたは社内の業務改善を支援するコンサルタントです。次の業務課題をもとに、上長へ出す提案書を作成してください。【業務情報】対象業務/現状の工数/課題/使えるツール/予算。手順:(1)変数と制約をすべて抽出する(2)現状→課題→施策→効果→リスクの構成を作る(3)効果を工数削減の数値で示す(4)提案書を作成する(5)抽出した制約と照合して抜け漏れを自己チェックする。

(5)の自己チェック節を足すと、条件漏れの発見率が上がります。多条件の見積や要件定義ほど、この効果が出やすくなります。こうした手法の体系的な使い分けは、PEP検定でも問われる範囲です。

CoT/Least-to-Most/Plan-and-Solveの使い分け早見表

タスク別の初手判断に使う早見表です。

タスク例 推奨手法 理由
提案書の骨子作成 PS+ 構成を固定し抜け漏れ防止
多条件の見積・試算 PS+ 変数抽出と計算を分離
長文の要件整理 PS 計画で全体像を先に固定
難問を段階分解 Least-to-Most 小問に割って順に解く
短い論理・算数1問 Zero-shot CoT 軽量で足りる
単発Q&A・要約 素の指示 計画は過剰

自分の業務でPSが効くか確認する5回テスト

体感ではなく、再現可能な手順で効果を判定します。次の5ステップで確認してください。

  1. 同じ種類のタスクを5件用意する
  2. 素の指示、Zero-shot CoT、PS+の3パターンで出す
  3. 評価項目を「条件漏れ」「順序崩れ」「計算ミス」「修正時間」の4つに固定する
  4. 各項目を0/1で採点する
  5. PS+で修正時間が20%以上減った場合だけ採用する

判断基準を決めずに1〜2回試すだけでは、採否を決められません。採用前に、使うモデル名・実施日・件数・評価基準を記録してください。数値のある比較だけが、次回の判断材料になります。

PEP検定対策でPlan-and-Solveを押さえるなら

PEP検定対策では、Plan-and-Solveを呪文として覚えず、次の3点で整理します。

  1. CoTとの違い:計画を先に出すかどうか
  2. 向くタスク:多条件・多手順・抜け漏れ防止
  3. 向かないタスク:短い要約、単発Q&A、定型変換

学習時は次の順で確認します。まず公式シラバスでプロンプト設計の出題範囲を確認します。次にCoT、Least-to-Most、Plan-and-Solveを比較表で覚えます。最後に自分の業務タスクで1つテンプレを試します。

公式シラバスで「プロンプト設計」の範囲を確認し、受検日から逆算してCoT系手法を1日で整理してください。出題範囲と学習順はPEP検定の勉強法を公式シラバスから逆算で確認できます。チーム運用では、この3種テンプレを共有し、評価基準をそろえると属人化を防げます。

よくある質問

Plan-and-SolveプロンプトはChatGPTでも使えますか?

使えます。ただし短い質問では不要です。提案書、見積、要件整理のように条件が3つ以上あるタスクで使ってください。

Plan-and-Solveプロンプトの欠点は何ですか?

出力が長くなること、待ち時間が増えること、計画が間違うと後続の回答も崩れることです。計画節を人間が確認できない業務では、PS+より短いチェックリスト型の指示が向きます。

Plan-and-SolveとReActの違いは何ですか?

Plan-and-Solveは計画してから解く手法です。ReActは推論と外部アクションを交互に行う手法です。検索、ツール実行、API操作を伴うなら ReAct系(Yao et al. arXiv:2210.03629)を検討します。

PSとPS+はどう使い分けますか?

迷ったらPS+から試し、冗長ならPSに落とします。PS+は変数抽出と自己チェックで条件漏れを見つけやすい手法です。品質が足りていればPSで十分です。

日本語で使っても効果はありますか?

出ます。ただし論文の数値がそのまま再現される保証はありません。論文評価は英語の数学ベンチ中心です。自分の日本語タスクで、CoTと数回比較してから採用してください。

「知っている」で止めない生成AIスキルの証明|PEP検定

PEP検定が問うのは基礎的な知識はもちろん、実務においてどのように生成AIを活用するか、プロンプトを設計するかなど“実際に使いこなす力”です。日本初の実務特化検定で、AIエージェントのように動きの速い領域もシラバスが追従。学び直しの成果を、転職・副業・社内評価で通用する客観的な根拠に変えられます。

  • 知識で止めず、プロンプト設計など“手を動かして使う力”を測る
  • CBTで全国いつでも受験可能
  • 個人の転職・副業から、社員のリスキリング成果の証明まで対応

監修|北海道大学大学院 情報科学研究院 川村 秀憲 教授
人工知能・マルチエージェントシステム研究の第一人者。観光情報学会理事ほか。

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